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■どろろ(どろろと百鬼丸)■




どろろの百鬼丸です。本当はカラー作品じゃないんですけど、
手塚さんのカラー原稿の色に準じて塗ってみました。
この絵はただし、アニメ版のほうです。
どろろが入らなくて、申し訳ないです。
出崎監督や富野監督など、そうそうたるメンバーが
かかわった、虫プロアニメです。

私、十代の頃は、すごくこの『どろろ』が好きだったんです。
手塚先生の原作は、それこそ真っ黒になるまで読みふけりました。
当時の秋田漫画文庫の小さな画面に、
どれほど勇気づけられたかわかりません。
特に、悲惨な出自の百鬼丸は、私にとってはヒーローでした。
初めて恋したアニメヒーローだったと思います。
手塚さんの漫画全集によれば、アメリカのファンが、百鬼丸の顔を
描いてもらった時に、涙を浮かべて「I love him」と言ったという逸話、
私にはよくわかります。
私もこの幻だった『どろろ』のアニメ見たさに、
東京まで出かけたことがありました。
「ばんもん」の回はすごくよく出来ていて、確かに伝説になるなと
思いました。何故ってこの『どろろ』がアニメ化されたのは、
1969年・・・その頃のほかのアニメと比べても、
すごく絵が綺麗な作品だったからです。
ただ・・・差別用語問題から、この『どろろ』は長らく
日の目を見ることはありませんでした。
「絶対再放映禁止」・・・というのが、長い間『どろろ』の
アニメに対して取られていた措置でした。
確かに差別用語が出てくるのはよくないでしょう。
しかし・・・・この作品においては、その「差別」こそが
テーマになっているのです。お笑いギャグで出てくるのではありません。
ですから、今はDVDなどで見ることができるようになって、
本当によかったと思います。

私はこの『どろろ』のFCにも入っておりました。
神戸にあったそのファンクラブには、一度お邪魔した
ことがあります。入稿のお手伝いをしたのですが、
同人の初心者で足をひっぱっていただけでした・・・・。
それでも、当時は『どろろ』が好きな人とお話が
できて、大変うれしかったことを覚えています。
あの人たちは、今はどうしてらっしゃるのでしょう。
皆私より5歳ぐらい上のお姉さんばかりでしたが、
今はもう家庭の主婦におさまっているのでしょうか。
ふと、時に思い出します。







と、言うのが今からン年前の感想ではありましたが、
一言だけ付け加えさせていただきます。

如何に崇高そうな目的であっても、
やはり差別用語を全編で撒き散らすのは
いかがなものでありましょうか?
一時筒井康隆先生などが先鋒となって
「言葉狩り」などと言っていた時期がありました。
でもやっぱりそれは危険だと思うんですよ。

「どろろ」はいい作品でした。
ストーリーはよかったんです。
ただ、やはり手塚さんは真に身体障害者の立場で
描いてはおられなかった・・・・。
その言葉を読んで傷つく人もいるのです。
今頃わかる私は遅すぎたのでしょうか。
実写化までされてしまったこの作品、
私にとっては今では見るのが複雑な作品なのです。
すごく好きでしたからね、ええ・・・・。
しかし今の若者にはこんな「裏切り」が味わえること
果たしてあるのでしょうかね。



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